チンパンジーは完全記憶能力者に神経衰弱に勝つことができるのか

こんにちはこんばんはCdaatです。

 

皆さんは『無限の猿定理』という言葉を聞いたことがありますか?

 

詳しくは以下のwikipediaに記載されていますが、簡単に言えば「ランダムに文字を打つ猿がいて無限の時間があればどんな文章(名分)も作れる」ということを言ったものです。

無限の猿定理 - Wikipedia

 

実際には任意の6文字の文章を打つだけでもおよそ {\frac{1}{100^6}}の確率で発生する、1秒に6回の打鍵ができる猿だとすれば、大体3万2千年ほど休まず打鍵し続ければ期待されたものが出現するぐらいの確率です。

 

これは現実的には起こりえるようなものではないですが、数学的には「無限」であれば必ずと言っていいほど発生しうるものとなります。

 

で、あればこれは他のランダムなものにも適用できるのではないでしょうか?例えば神経衰弱というトランプゲームは、そろったかどうかの判定は補助が必要なものの適当に2枚選ばせることはできそうです。

そうすればいずれ完璧な動きをするプレイヤー相手でも勝てるのではないでしょうか?

 

ということでプログラムを組んでシミュレーション検証をしてみたので結果を記載しようと思います。

よければ見ていってください。

検証の条件(52枚のトランプ)

今回のシミュレーションについては以下の条件で行いました。

・ジョーカーを除く52枚のトランプを使用した神経衰弱を行う。

・プレイヤーは二人、先行はランダムに札を選ぶチンパンジー戦略を取り、後攻は完全記憶能力を持つプレイヤーとし、開示された情報の中で獲得できる札がある場合は必ず獲得する。

 ※チンパンジー戦略側はランダムで選ばれた二枚を判定することができる補助員がいるものとする。

・一般的な神経衰弱と同様、札を獲得したプレイヤーは続けて札をめくることができる。

・神経衰弱の最適戦略は、特定の条件下では相手に情報を知らせないためにわざと情報開示済みの箇所を開くこともあるが、先攻プレイヤーがランダム戦略のため後攻プレイヤーは開示されている情報で獲得できないときは非開示のトランプをめくるものとする。

 参考:https://ypir.lib.yamaguchi-u.ac.jp/un/917/files/165574

・獲得枚数が同数だった場合、チンパンジー側の勝利とする。

 

上記の条件で1億回ほどシミュレーションしてみました。

回数については本当は無限回の試行が必要ですが、私自身は現実に生きる人間なので不可能、かつ私のPCスペック上個の回数でも丸一日ぐらいかかってしまったのでこの回数にとどめています。

 

検証結果

1億回の勝負の結果、チンパンジー側は1度も勝利できませんでした。

獲得枚数の分布をみると以下の通りです。

獲得枚数 試合数
0 44030988
2 35221757
4 14944113
6 4479810
8 1064410
10 213884
12 37930
14 6077
16 879
18 138
20 13
22 0
24 1

グラフ化するとほとんど見えない値が...

約44%の試合で、1枚も獲得することなく敗戦しています。

仮に獲得出来ても2枚4枚が関の山、6枚以上獲得できた試合数は全体の6%程度しかありません。

一番惜しかった時で24枚獲得した試合が1度だけありましたが、22枚の試合が一度もなかったところを見ると、相当な外れ値だったようですね。

 

チンパンジー側は試合開始直後でそろう確率が {\frac{3}{53}}程度しかなく、この確率を13回以上引く必要があるので単純に考えても天文学的に低確率であることがわかります。ですのでやはりこのような結果になってしまうのですね。。。

 

形を変えて検証してみたい。。。

と、いうことで1億回程度の検証では勝てないという結果に終わりました。

以下サイトによると現在日本ではチンパンジーは287頭飼育されているようなので、

チンパンジーが総出で1試合3分ペースで寝ずに検証しても、1億回プレイするには約2年ほどかかります。つまりチンパンジーが総出で試合しても2年は勝てないということです。

チンパンジー(1) ~ヒトに最も近い類人猿~ | 東山動植物園 飼育第二係 近藤 裕治さん | スペシャルサイト“ブラザーSDGsストーリー”

 

チンパンジーの一生をかけたらいつか勝つことはあるかもしれませんがこんなに待っていられないので条件を下げたら勝つことができるのかを検証したいと思います。

具体的にはトランプの枚数を減らすと勝てるのかを検証します。

 

トランプの枚数を減らした場合

例えばですがトランプが1種類のみ4枚で神経衰弱をした場合、先攻プレイヤーは必ず札をそろえることができるので先手必勝となります。

トランプが2種類の場合でも初手出そろう確率は {\frac{3}{8}}と大幅に増えているので、トランプの種類を減らすことで勝利できる可能性は上がりそうです。

 

試しにトランプを6種類に限定して24枚の神経衰弱を100,000回ほどシミュレートしたところ、122勝99878敗と勝てています。

ちなみに内訳は以下の通りで、引き分けを除いても24勝できています。

獲得枚数 試合数
0 41515
2 34434
4 16050
6 5762
8 1699
10 418
12 98
14 18
16 5
18 1

 

ということでどれだけ13種類のトランプから1種類ずつ減らしていき、どれだけ減らせば、1億回以内に勝てるのかをシミュレートしてみました。

 

①トランプを12種48枚にした場合

0勝100,000,000敗でした。

獲得枚数の分布は以下の通りです。

 

獲得枚数 試合数
0 43798840
2 35169189
4 15065444
6 4577711
8 1110887
10 228470
12 41596
14 6728
16 974
18 142
20 17
22 2

 

同点でのみなし勝利まであと1ペアの試合が2個あったのでもう少し減らせば勝てる試合も出てきそうです。

 

②トランプを11種44枚にした場合

7勝99,999,993敗でした。

獲得枚数の分布は以下の通りです。

 

獲得枚数 試合数
0 43542261
2 35095341
4 15201221
6 4698318
8 1161537
10 245636
12 46419
14 7834
16 1227
18 181
20 18
22 6
24 1

 

2種類減らすとついに勝利パターンも引けました。

みなしでなくても1度だけ勝利した試合もあります。

 

③トランプを10種40枚にした場合

42勝99,999,958敗でした。

獲得枚数の分布は以下の通りです。

獲得枚数 試合数
0 43242170
2 35021919
4 15343423
6 4835141
8 1227098
10 267225
12 52160
14 9110
16 1492
18 220
20 35
22 6
24 1

 

ここまで減らすと勝ちパターンが増えてきました。

同点でのみなし勝ちを除いても7勝できているので、この数なら現実的に勝てる可能性が見えてきますね。

 

結論

普通のトランプなら1億回試合してもランダム選択では勝てませんでした。

トランプを2種8枚減らすとようやく勝てるようになってきます。

普通のトランプでももっと試合すれば勝てることもあるでしょうがPCスペックの限界で検証はここまでですね。

 

ということで神経衰弱に運だけで勝つには相当な強運が必要そうという結果をもって検証は終了しようと思います。

 

それではまた、次の記事でお会いしましょう!